Tさん、やっと読了しました(私信かよ)
正月にご恵贈賜ったまま、なかなか読む時間が取れませんでしたが、ようやく読み終えることができました。Tさん、ロクにごあいさつもせず、たいへん失礼いたしました。あらためてお詫びと御礼申し上げます(だからこれは私信かよ!)。
ミステリーのおもしろさを決める第一の要素は、トリックでも意外な真犯人でもなく、まず“語り”にある、と私は思っています。謎の呈示や、謎解きのために張る伏線など、それをどう“語る”かによって、読者を引き込めるか否かが決まっちゃいますよね。“語り”そのものがトリックだったりするなんてのも、ミステリーならではのおもしろさでしょう。だから私は、世間的には人気のあるY村M紗やN村K太郎はミステリーとは認めてないのであります。
で、この大庭武年は、今回初めて読んだわけですが、十二分に楽しめました。本人にとってはコンテンポラリーな満州国・大連という舞台設定ですが、それをうまく生かしてますね。これだけしっかりとした本格ミステリーを書いておきながら、じつは純文学志向だったってんだから、なおびっくり。戦火に倒れていなかったら、さらにどんな作品をものしていたのか、想像がつきませんなあ。
※この記事は昨日書き始めましたが、途中で知らぬ間に爆睡(^_^;)。昨日の更新を落としてしまいました。大阪を歩き回った疲れが1日経ってから出たかあ。トシだなあ(自爆)。
「讀書」カテゴリの記事
- 昨日までに読んだ本(2010.06.14)
- 『禁断のパンダ』(2008.01.04)
- ようこそ鉄道の世界へ(2007.12.31)
- コロンブスの卵(2007.11.03)
- お笑い系(?)サッカーコラム本(2007.07.02)
The comments to this entry are closed.
Comments