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巨星堕つ……

一昨日、大鵬の訃報に接したときは、もちろんすぐに弊ブログにUPすることを考えました。

が、新年最初のUPがお悔やみというのは、それもほかならぬ大鵬のというのは、あまりにせつなくて、せつなすぎて、UPすることができませんでした。
(新年のご挨拶をサボっていたという事実は事実としてあっさりスルーします(^^;;;)

大相撲を観始めた時期が、ちょうど大鵬の全盛期だったというのが、最大の幸運であり、その後ン十年間今に至るまで途切れることなく大相撲を観続けている原点といえます。私は大鵬によって大相撲を知り、大鵬に大相撲を教わったのです。

力やスピードで相手を圧倒する横綱は数多くいますが、相手の攻めを受けるだけ受けておいて「もう終わりか? じゃ、いくぞ」とばかりにじわりと攻めて勝ちにもっていく大鵬の相撲こそが“横綱相撲”であると、今も信じて疑っておりません。

上手から豪快に投げ飛ばすわけでも、相手を土俵下まで吹っ飛ばすわけでもありません。もっぱら寄り切りやすくい投げやはたき込みといったけっして派手ではない決まり手で勝ち続けるので、幼かった私に対して周囲のおとながからかい半分で「大鵬、大鵬って言うけど、おもしろくない相撲ばっかりじゃない」と言いました。私は、相手が親であろうと誰であろうと、怒りに震え涙を流して、敢然と抗議したのでした。「なにも泣くことはないだろう」と言われても、大鵬を批判するなど絶対に許せるものではありませんでした。あまりに悔しくて、押し入れに立て籠ったことすらありました。

そして、大鵬が「横綱は勝つのが仕事だ。負けて『弱い』と批判されるならともかく、勝って文句を言われる覚えはない」と語っているのを知って、「まさしくそのとおりだ! やっぱり大鵬は偉い!! 大鵬は正しい!!!」と、おとなたちを見返したのでした。

また、横綱土俵入りの美しさたるや、天下随一でした。相撲そのものは真似できませんでしたが、土俵入りはとにかく真似しましたね。大鵬の土俵入りばかりを熱心に見ていたので、同時代の柏戸や佐田の山の土俵入りは、申しわけありませんがまったく記憶に残っていません。大鵬以前の横綱は知りませんが、大鵬以降20人以上の横綱土俵入りを見てきた中で、間違いなく大鵬の土俵入りが、最も優美で、最も雄大で、最も神聖です。


……書けば書くほど、失ったものの大きさに押しつぶされそうです。私にとって、横綱イコール大鵬であり、大鵬イコール大相撲であったと、あらためて認識し直しました。


大鵬さん、ありがとうございました。ゆっくりお休みください。さようなら。

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